家づくりストーリーこれを読んで頂くと私たちが大切にしている事が理解できます。
玉野市 黒川 様
なんばの職人さんは若いのによくできてますよね。 お陰様でいい感じの空間になってると思いますよ。
築100年を超える古民家の旅館を再生された玉野市の黒川様。整体院と自宅が一緒になった店舗併設住宅です。
「いつかは玉野に戻って暮らしたい」という思いがご主人の独立と共に徐々に具体化されていきました。
古材を活かしながら住みやすく快適な住まいをつくるのは簡単ではありません。どのような家づくりを望んでいたのか、なんば建築工房を選んだ理由など詳しく伺いました。
1.「古民家再生したい・・・が漠然とした不安」
●家づくりのきっかけをお聞かせ下さい。
奥様:以前は大阪に住んでいたのですが主人の独立を機に玉野に帰り住居兼店舗の建築を考えるようになりました。そしてもともと祖母が旅館を営んでいた古民家をできれば再生したいと知人の設計事務所の方に相談していたのです。
●どのように計画は進んでいったのですか。
奥様:設計士の方に玉野市にある古民家をみてもらい要望も伝えていてプランもあがっていたのです。しかし、打合せを重ねていくうちに段々と不安になってきたのです。
●どういう事でしょうか。
奥様:確かに要望したことはプランに入っているのですが・・・・何かもう一つもの足りない・・・。「これは是非やりたい!」と思うようになれないのです。
設計士の方は“何でもできますから言って下さい”とおっしゃるのですが、私も専門家ではありませんから考えは言ってもそれが最適かどうかは少し不安がありました。 それで“他に古民家再生が得意な工務店はないだろうか”と探すようになりました。インターネットを検索していてなんば建築工房のホームページを知ったのです。
2.なんば建築工房との出逢い
●どのように感じましたか。
奥様:施工事例もたくさんありそうだし、”いいじゃない!”と思いました。それで早速問い合わせをして会う事になりました。
●お会いになったなんば建築工房の第一印象はどのように感じましたか。
奥様:もうなんばさんにお願いしたいと思いました。
●えっ?早すぎませんか。
奥様:なんば建築工房の難波社長(現会長)が入ってこられるなり、“この庭はご馳走ですね。大切にしなければいけませんね。”と言われたのです。そういうことをひと目見て言えるだけの知識や経験、センスに共感できたんです。極端かも知れませんが、この言葉で“この人達に依頼してみたい”と感じたのです。
3.えっ!そこまでやるんだ!
●もう少し詳しくお聞かせ下さいますか。
奥様:古民家再生するということは、新しい家を一から建てるよりも手間がかかり技術的にも難しそうだということはなんとなく理解していました。それだけに見せかけだけでなく古い建物をたくさん経験したことがあって技術的なことも含めて“よくわかっている人”にお願いしたかったんです。
●建築中に印象に残っていることはありましたか。
奥様:なんばの大工さんのこだわりと姿勢に驚きました。例えば、床下に猫などが入ってこないように木枠をつけているのですが、踏み石の形状にあわせて材料を調整しているんです。“そこまでやるんだ!”と思いましたね。
それと元の家を解体して使える古材かどうかを確認する時。大工さんが2階にあがって作業をしていると“家がきしむ音”がするそうなんです。安全対策はされているとは思いますが、一歩間違ったら身の危険もありますよね。そんな中でも“いい仕事をするのがあたりまえ”というような雰囲気があるんです。なんばさんの職人さんは若いのによく育てたなあと思いますね。
●この材料は使う、使わないはどのような考え方が元になっているのでしょうか。
なんば建築工房:基本は使えるものは使う、使えないものは除くということです。一番簡単なのは、柱でも新しいものをするのがよいのです。考える必要がありませんからね。古材を使うのは手がかかるんです。例えば、「たてり」というのですが、柱でも曲がってたりすると垂直方向にまっすぐしないといけません。
また「梁」も古い材はいろんな形や色をしています。それを違和感がないように納めないといけない。このあたりは古い建物をたくさん見たことがないとなかなか難しいかも知れませんね。
●技術を持った職人が手仕事をするというのは場合によっては非効率なこともあります。お施主さんからみてそのあたりをどのように感じますか。
奥様:コストや効率だけを優先するのならなんばさんにはお願いしていないかも知れませんね(笑)私たちは倉敷の美観地区や京都の町家のような昔の建物をみるのが好きで時々行くんです。見ていて美しいし、人の手が充分に入っているというエネルギーみたいなものを感じます。そこにいるだけで心が落ち着いたり癒されたりするような。私たちの家は自身が住むだけでなく、訪れた方の心と身体を健康にする場所でもありますから“職人さんの手が入っている”ということは目に見えないですが、大切な価値だと思います。
●他に印象に残っていることはありますか。
奥様:なんばさんは「何でもしますよ。」と言わないことですね。例えば、私がクロスの種類を選んだ時に「これはあわないからこうしましょう。」と言ってくれるのです。他にも「こんなことがしたい。」というと「○○という理由があるから止めましょう。」ということも数多くありました。 頭からダメだというのではなく専門家としての根拠を示してくれた上で提案してくれるので助かりました。
4.そこにいる人みんなが癒される空間になりました。
●サロンの方はどのような点を留意して建てられたのですか。
ご主人様:まず、施術するところですが、仰向けになった時に梁を使った天井の雰囲気がいいようにと思いました。ぼんやりと古い梁や天井の木を見ながらリラックス頂きたいと思います。それと施術が終わった後にお茶を召し上がって頂きながら休憩するスペースがあります。お客様にお座り頂くところからちょうど庭が見えるんです。これもなんばさんからご提案頂いた点です。
奥様:部屋に置いてある小物も昔の家にあったもの、間仕切り戸も当時のものを調整いただいて使っています。こちらに来られた方によく”和風のカフェにしたら”と言われるんですが、居心地のよい空間ができていると思います。
●実際にお住まいになって気に入っているのはどんな点ですか。
奥様:やっぱり一番過ごすことの多いリビングですね。主人も時間がある時は転がってボーっと空を眺めていますね。空をみあげるにはちょうどいい角度らしいです。あっ、そう!お月見には最適ですよ。
ご主人様:私はここというよりも頑張っていい建物を建ててよかったなということです。予算的には多少かかっても自分達が納得する家を建てる方が小さく直すよりもトータル的にはメリットがあるようにつくづく感じます。
それと整体院の方にいらっしゃるお客様が「居心地がいいなあ」と言って下さいます。こちらに来られるのはもちろん身体をよくしたいということもあるのですが、心を元気に、リラックスした気分になりたいという目的があります。そういう意味でもいい空間ができたと思っています。
●お施主様が経営されている整体院の「H庵」
全く痛くない整体で病気の状態が足つぼでわかったりストレスチェックもできます。「心や身体がなんか調子悪い」と感じたら一度覗いてみてはどうでしょう。
■黒川様、本日はご多忙のところありがとうございました。
※ 取材日時 2014年4月
※ 取材制作:WISHパートナーズ 赤木浩二